2025.10.06
KNOWLEDGE
広告予算に合わせたビッグKWとニッチKWの考え方
広告運用において「どのキーワードでユーザーを獲得するか」は、成果を大きく左右する重要な要素です。
検索ボリュームが大きい「ビッグキーワード」で広く認知を獲得するべきか、意図が明確な「ニッチキーワード」で効率的にコンバージョンを狙うべきか。多くの運用担当者や企業が、この選択で頭を悩ませています。
本記事では、ビッグキーワードとニッチキーワードそれぞれの特徴やメリット・デメリットを整理し、目的に応じた効果的な使い分けの方法を解説します。これから広告運用を始める方も、すでに運用を行っている方も、自社の戦略を見直すきっかけにしていただければ幸いです。
ビッグキーワードとは
ビッグキーワードとは・・・行動意図が広く検索される回数(検索ボリューム)が非常に多いキーワードのことになります。
例「恵比寿」「恵比寿 ランチ」など
特徴
⇒ビッグキーワードの月間検索回数に明確な定義はなく、業界によって変わります。
・競合多くクリック単価が高い
⇒上位表示できれば多くのクリックが見込めるため
・流入の母数は確保できるがCV効率は不安定
⇒様々な意図で検索しているクエリとなるため、検索しているユーザーは多いがCVに繋がる可能性は低くなります。
ニッチキーワード
ニッチキーワードとは・・・行動意図が明確で検索される回数(検索ボリューム)が非常に少ないキーワードのことになります。
例「恵比寿 インドカレー 予約」「恵比寿 ランチ オムライス 予約」など
特徴
⇒検索語句が絞られていくためそれにあわせて検索ユーザーは減っていきます。
・クリック単価は比較的安い/安定
⇒キーワードが明確であるほど競合が減るのでクリック単価が安く上位表示できる可能性が高いです。
・ニッチだが意図が明確でCVRが高い傾向
⇒より行動意図が明確なためCVに繋がる可能性が高いです。
それぞれのメリット・デメリット
ビッグキーワード
・メリット
検索Volが大きいため、幅広いユーザーに届けることができる
意図していなかったクエリからのCVを獲得できる可能性がある
・デメリット
競合が多いためCPCが高騰しやすい
大手や資本力のある競合が予算を投下しているケースが多く、上位表示が難しい
様々な意図で検索しているためCVRが低下しやすい
ニッチキーワード
・メリット
行動意図が明確なクエリが多くCVに繋がりやすい
意図が明確なため無駄クリックが少なく、効率よく成果を獲得できる
KWによっては競合が網羅できていない場合、独占的にCVを獲得することができる
・デメリット
検索Volが小さいため、CV数を伸ばすことが難しい
CVに繋がりやすいキーワードを検索語句や顧客へのインタビューで発掘する必要があり探すことが難しい
目的や予算による使い分けについて
■目的ベースでの使い分け
・認知拡大が目的の場合:ビッグキーワード
-まだサービスを知らない潜在層にリーチするのに最適
-新規開業や新商品ローンチなどに向いている
・CVが目的の場合:ニッチキーワード
-購入・予約・資料請求など行動に直結する層を狙える
-限られた広告費でも成果を出しやすい
■予算ベースでの使い分け
・多くの予算がある場合
-ビッグキーワードで大量にデータを集め、CVしやすいニッチKWを見つける
-ビッグキーワードで市場全体に露出しつつ、ニッチキーワードでCVを獲得する
・予算が少ない場合
-ニッチキーワードで配信し、CPAを安定させる運用をおこなう
-小さくはじめて、成果が出て予算の増額があった場合はビッグキーワードでCV数を増やしていく
■競合状況による使い分け
・大手が強い領域
-ビッグキーワードは大手が資金力で上位を独占している可能性
-中小企業はニッチキーワードで差別化した方が戦いやすい
・まだ競合が少ない領域
-ニッチキーワードだけでなく、ビッグキーワードでも広告ランクを取りやすい可能性あり
-市場が緩和していないうちに広く認知を取る戦略が有効。
■マッチタイプの考え方について
完全一致:ニッチキーワードとの相性が抜群
購買意欲の高いクエリを確実に拾うことに最適
フレーズ一致:ニッチキーワードで取りこぼしを防ぐ用途に有効
ビッグキーワードでも、絞りすぎず効率化したいときに活用できる
インテントマッチ:ビッグキーワードとの相性が良く、想定していなかったクエリを探すことができることが強み。
ニッチキーワードではもともと意図が明確で検索ボリュームも小さいため、広げすぎると関連性の低い検索を多く拾ってしまい、無駄クリックの割合が高くなりやすい点に注意が必要です。
キーワードの選び方について
上記にて戦略を立てた後に実際にキーワードを探していきます。
探す方法は様々ですが、運用者としては下記のツールを使う方が多いのではないでしょうか?
実際に私が活用しているものを紹介させていただきます。
①Googleキーワードプランナー
②Keywordmap
③ラッコキーワード
④検索語句から探す
①Googleキーワードプランナー
まずはGoogleキーワードプランナーです。こちらはGoogleが提供する無料のツールで各広告アカウントごとに確認することができます。
ビジネスに関連する新しいキーワードを見つけたり、そのキーワードの検索数の見積もりや、キーワードをターゲティングする費用の見積もりを確認したりできます。
手順としてはツールタブよりプランニングの中にキーワードプランナーがあります。
手順通り進んでいただき、URLを入れていただくとキーワードの候補、検索ボリューム、入札価格を確認することができます。
その他にも有料ツールですが下記2つもおすすめですのでぜひご活用ください
②Keywordmap(https://keywordmap.jp/)
③ラッコキーワード(https://rakkokeyword.com/)
また、④検索語句から探すですが、ニッチキーワードを探すことはとても難しいので、
検索語句より実際にCV獲得できたクエリをキーワード化することもおすすめです。
※あまりにも特殊なクエリは検討が必要ですが、想定していなかったクエリから
今後継続的にCVを獲得することができるかもしれません。
まとめ
ここまでビッグキーワードとニッチキーワードについてご理解いただけましたでしょうか?
ビッグキーワードとニッチキーワードには、それぞれ異なる役割があります。
大切なのは「どちらが正解か」ではなく、目的・予算・商材フェーズに応じて組み合わせることです。
多くのCVを獲得したい → ビッグキーワード
効率よくCVを獲得したい→ ニッチキーワード
限られた予算 → ニッチキーワード中心で効率化
十分な予算 → ビッグキーワード+ニッチキーワードにてポートフォリオ型運用をおこなう
※ポートフォリオ型運用とは・・・ビッグキーワード、ニッチキーワードどちらかに集中して運用せずに、それぞれに予算を分散させ運用をおこなうこと
広告予算を無駄にしないためには、自社の目的を明確にしたうえで、最適なキーワード戦略を設計することが不可欠です。
まずは自社の広告目的を整理し、キーワードプランナーで検索ボリュームを確認することから始めてみてください。
弊社では戦略設計から運用までサポートしておりますので広告運用でお困りの方はぜひ一度ご相談ください。