2020.12.21
KNOWLEDGE
Facebook広告:効果UPのカギは”情報収集中”の期間にアリ?
Facebookで広告を配信するときに必ず目にする“情報収集中”の5文字。
ターゲティングの変更や新しい広告の追加など、
いわゆる『大幅な変更』をした場合に必ず表示されるこの表記。
みなさんは普段、意識していますか?
Facebook広告は配信期間中は常に学習しており、
広告の目的を最大化するための「情報収集」が完了すると”アクティブ”となり
効率的に獲得できる状態へ移行します。
一般に、”情報収集中”の間は効果が安定しないと言われています。
効果が気になるあまり頻繁に広告の編集を繰り返していると、
結果として効率的に獲得できる状態へ移行できない、という落とし穴が。
というわけで今回は、
「そういえばずっと情報収集中な気がする…」という方に読んでいただきたい
Facebook広告の情報収集についてまとめました!
情報収集期間とは
私たちは
「ウェブサイトの流入を増やしたい」
「認知拡大を図りたい」
「実店舗への来店者数を増やしたい」 などの目的をもって広告を配信します。
Facebook広告には、目的に対してコンバージョンする可能性が高いユーザーを自動で選出してくれる
コンバージョン最適という機能があります。
この優秀な機能の学習を進めるために必要な情報量が集まるまでが
Facebook広告で“情報収集中”の表示となっている状態です。
情報収集期間からアクティブに切り替える必要性
Facebookの情報収集期間が終わると、
Facebookの機械学習が「最適化に必要な最低数の情報を収集した」状態になります。
これが”アクティブ”な状態、セット単位で最適化がかかっている状態です。
最適化がなされている状態ではパフォーマンスのばらつきが減少する傾向にあります。
言い換えると、最適化がかかっている状態とは
・満足のいく結果 → 配信続行、予算増額
・期待する結果が得られない → 広告セットの編集、配信停止
などの運用上の判断をより安定した情報に基づいて判断できる状態ということです。
つまり、Facebook広告の情報収集を終えていない状態では広告配信の最適化が完了できず、
効率よく目的を達成するための配信が出来ていない状態なのです。
Facebookが学習し最適化された状態で効率よく広告配信が行える”アクティブ”状態のためには
いち早くFacebook広告の情報収集を終わらせる必要があります。
最適化に必要な情報量
では、学習に必要な情報はどのくらいなのでしょうか。
最適化ポイントに設定したコンバージョンが、セットあたり1週間に50件
これがFacebookが提示する最適化に必要な情報収集数の下限です。
つまり、1セットあたり1週間で50件のコンバージョンを獲得しなければ
いつまでも”情報収集中”の表示となってしまいます。
先に述べた通り、安定した運用のためにも
Facebook広告の情報収集期間は早く終わらせるに越したことはありません。
この機械学習を早めるために私たちがするべきことは、
Facebook広告が効率的に学習できる配信設計です。
Facebook広告の情報収集が効率的に進められるように設定するポイントが
いくつかありますのでご紹介いたします。
情報収集を早めるカギは「自動」
Facebook広告の情報収集期間を終わらせるために大切なことは
①頻繁に編集しない
②広告セットの数は少なめに
③機械学習を促進するソリューション
④コンバージョン獲得を制御してしまう要素を排除
この4つはFacebook広告が効率的に学習するためのベストプラクティスです。
それでは、それそぞれについて改善ポイントを見ていきましょう!
①頻繁に編集しない
Facebook広告はキャンペーン・セット・広告のどの階層でも、
一定の変更を加えると情報収集期間がリセットされます。
情報収集中に全体の予算が頻繁に変更されたり、
ターゲティングや配置面がコロコロ変わってしまっては機械が消化ペースや配信先を判断できず、
学習がストップしてしまいます。
つまり、変更するたびに新しい目的やターゲットに向けて配信・学習を始めることになります。
何度も振り出しに戻っていたら、いつまでたっても情報収集期間は終わりません。
広告の情報収集期間がリセットされるような編集は下記にまとめましたのでご参考ください。
機械学習を混乱させずに情報収集期間を終わらせるにはキャンぺーン・セット立ての段階で
予算やターゲティングなどをより精査してスタートすることが大切になります。
そして情報収集期間が終えた状態、
つまり安定した情報に基づいて判断できる状態で満足いく効果が得られた場合、
クリエイティブの精査を行うことが運用の流れとして推奨されます。
●PDCAの回し方
予算面・ターゲット・配置面など(キャンペーン・セット)
↓
広告クリエイティブ(広告単位)
②広告セットは少なめに
ここでもう一度、Facebook広告の情報収集完了に必要なコンバージョン数について振り返りましょう。
最適化ポイントに設定したコンバージョンが、セットあたり1週間に50件
つまり単純に考えてターゲット層のセグメントごとに広告セットを分けたり、
複数のセットを走らせることはパフォーマンスの低下につながる可能性があります。
Facebook側からも広告セットの作成は少ないほどよい、というのが
ベストプラクティスとして推奨されています。
●広告セット作成のベストプラクティス
・ターゲット層や目指す成果に応じて異なるコスト管理を行う場合のみ、
新しい広告セットを作成する
・ターゲットオーディエンスを1つの広告セットにまとめ、
予算を多めに設定したほうが効果は出やすい
という点を念頭にセットを作成することが重要です。
③機械学習を促進するソリューション
キャンペーン予算の最適化
クライアントからの指定や条件などにより
複数のセットを同時に走らせなければならないこともあるかと思います。
この時に予算管理をセットごとに行うのではなく
キャンペーン単位の予算管理のため「キャンペーン予算の最適化」をオンにすることが推奨されます。
これによりセットごとに効率的な予算配分がなされ、情報収集に必要な件数を増やすことができます。
下記は予算分配の最適化イメージです。
もちろん、セット予算での管理が必要な場合もありますから
一概に「キャンペーン予算でないと非効率」とは言えません。
セットごとに予算を固定する必要がない場合のFacebookのベストプラクティスを参考に
キャンペーン予算での管理を検討してみてください。
●キャンペーン予算最適のベストプラクティス
・広告セットの上限予算をなるべく、または全く使用しない
・1つのキャンペーン内のセット数は70未満にする
・キャンペーン内のすべての広告セットで配信できるようにする
・広告セットの一時停止をさける
・パフォーマンスの評価はキャンペーンレベルごと
Facebook広告の情報収集の完了のため、
可能な限り予算の配分も自動化することで効率の良い獲得につながります。
自動配置
Facebook広告は一つの広告を4つのプラットフォームに配信できます。
・Audience Network
・Messenger
この配置は手動で配置を限定したり配置媒体を指定して編集することもできますが、
Facebookがより効果の高い配置を設定してくれる『自動配置』をお勧めします。
Facebookではメリットとしては下記3点を挙ています。
1.同媒体内の複数の配置、すべての関連媒体で広告を掲載すると
最適な広告費用対効果を得ることができる
2.最適化学習に基づき効率的な配置ができるため、広告主の工数が節約できる
3.複数配置やほかのプラットフォームへの配置でリーチの拡大を図れる
自動化により効率的な配信を行うことができるということは
コンバージョンにつながりやすくなるため
Facebook広告の情報収集が早く完了するということになります。
④コンバージョン獲得を制御してしまう要素を排除
今までご紹介したポイントに則って広告を配信していても、
Facebook広告の情報収集期間が思うように終わらないことがあります。
その時に考えられる機械学習を制御してしまう要素として、次の4つを考えましょう。
●コンバージョンの獲得を制御してしまう要素
・小規模なターゲット
・予算が少ない
・入札価格または平均目標達成単価上限が低い
・コンバージョンイベントの発生頻度が低い
予算や入札価格が少ないと、十分な配信や予算消化が行われず
思うようにコンバージョン件数が獲得できないことがあります。
最適化ポイントに設定したイベントを獲得するには適切な予算と入札価格の設定が必要です。
オーディエンスの拡大/除外
Facebook広告を配信する際にはセットを立ててオーディエンスのターゲット設定を行います。
広告セットのターゲティング設定が狭すぎると
コンバージョン数が十分に獲得できなくなる可能性があります。
適切なオーディエンスを設定したうえで、
広告セットの管理画面内の『詳細ターゲット設定の拡大』にチェックを入れることも有用です。
これにより、Facebookがパフォーマンスを向上できると認識した場合に
設定したオーディエンス外にもリーチが拡大され、コンバージョンの可能性を上げることができます。
これに加えて、複数のセットで配信する場合はセット間のオーディエンスの重複も考慮しましょう。
管理画面の【オーディエンス】を開き、比較したいセットにチェックを入れ
[アクション] > [オーディエンスの重複を表示]
から重なりを見ることができます
オーディエンスの重複が大きいと、同じ目的の広告同士でオークションを競い合うため非効率です。
重複率が30~40%を超えている場合オーディエンス設定時に除外条件を設定して、
セット間の重複を減らしていきましょう。
コンバージョンウィンドウの設定
広告をクリックしてからコンバージョンに至るまでの期間を“コンバージョンウィンドウ”といいます。
コンバージョンイベントの発生頻度が低いときはこの設定を変更し、
より多くのコンバージョンを得ることができる状態にすることを検討してみてください。
ただし、この期間の設定はユーザーの確度に影響してきます。
通常、コンバージョンウィンドウが短ければ短いほどユーザーの確度は高いと考えられます。
●確度が高いとされるコンバージョンウィンドウ
・通常:クリックから1日
・比較検討の期間が長いと思われる高額商品など:クリックから7日間
コンバージョンウィンドウの期間の変更はユーザーの確度に影響するのです。
週のコンバージョンの母数を獲得しづらくFacebook広告の情報収集が進まない場合は、
これらを考慮した設定の調整が必要になります。
ユーザーの確度を考慮した変更には、日数の変更は行わずに”表示から”を追加することをお勧めします。
●コンバージョン数確保のための変更ポイント
・日数の変更は行わない
・「クリックまたは表示から1日間」を選択する
これにより、ある程度のユーザーの確度をある程度保った状態で
Facebook広告の情報収集のスピードを上られる可能性があります。
まとめ
今回は情報収集期間と、情報収集を早めるポイントを解説しました。
”情報収集期間”はFacebook広告が最適化に向けて必要な情報を収集している期間です。
その最適化に必要な情報数は、「セット当たり50件/週の獲得」。
これを達成しFacebook広告の情報収集を早く完了するには
Facebook広告が効率的に学習できる配信設計が何よりも重要です。
Facebook広告の情報収集を進めるにはシステムが学習しながら選択できる自由度を残し、
効率よい配信を行うことがカギとなります。
ぜひ、下記ポイントを考慮してみてください。
■Facebook広告の情報収集期間を終わらせるためのベストプラクティス
①頻繁に編集しない
②広告セットの数は少なめに
③機械学習を促進するソリューション
●広告の配置は自動配置を選択して最適な広告費用対効果を得る
●複数セットを走らせる場合はキャンペーン予算の最適化を使用する
④コンバージョン獲得を制御してしまう要素を排除
●適切な予算・入札価格の設定
●オーディエンスを狭めすぎない
●コンバージョンウィンドウを適切に設定して件数を蓄積する
他にもFacebook広告の疑問やお悩みをお持ちの方は弊社までお気軽にご相談ください。