2024.06.26
KNOWLEDGE
Z世代に刺さる広告表現&クリエイティブ(リスティング編)
近年、「Z世代」という言葉を耳にする機会が増えてきているのではないでしょうか?デジタルネイティブともいわれるこの世代は、Web広告業界のみならず、ビジネスターゲットとして注目度が高まっています。
そんな「Z世代」に刺さる広告表現とクリエイティブについて「Z世代」の筆者が考える表現もご紹介します!まずは、「Z世代」とは、の部分から始めて行きましょう!
1.Z世代とは
1-1.Z世代の定義
Z世代とは、おおよそ「1990年代後半から2010年代半ば」に生まれた世代の総称です。2024年時点では「10~20代」と認識して頂ければと思います。
1-2.Z世代の価値観
皆さん、「ジェネレーションギャップ」という言葉をご存じの方が多いと思います。
世代が違うことで、文化や考え方が違うことは有名ですよね。実は、消費行動に対する価値観も世代によって異なります。
それでは、今回のテーマであるZ世代はどんな価値観を持っているのでしょうか。
一言で言えば、「意味」を重視しています。商品を買う際に、品質だけではなく、その商品が社会に対してどんな影響を与えるのか、社会課題に貢献できる商品なのかを考える傾向にあるのです。
※あくまでも傾向ですので全員に当てはまるわけではありません。
1-3.Z世代が注目される理由
そんなZ世代は、2つの理由からマーケティング対象として非常に注目されています。
1つ目に、高齢化です。これまでは、人口の多さ、経済力の観点から高齢者層(団塊世代)が注目されていましたが、徐々に消費行動力を失ってきていることから、今後数十年間の消費活動を支えるであろうZ世代が注目されているのです。
2つ目は、情報拡散力です。Z世代は、生まれたときからデジタルデバイスがあるのが当たり前の環境で育ってきた、デジタルネイティブです。そんなZ世代がインターネット上で生み出す「バズり」は消費に多大な影響を与えます。そのため、Z世代はマーケティングにおいて情報拡散の要だと考えられています。
2.Z世代に刺さる広告文
2-1.Web広告への印象
Z世代の中で、Web広告のイメージはあまり良いものとは言えないのが現状です。私の周りでも、「ネガティブ、興味がない」という印象を抱いている人が多いです。
ネガティブな印象になってしまう理由として、最も多いものが「何度も表示され、押し売りっぽく感じる」です。認知目的で広告を出していても、「押し売りだ、うっとうしい」等と思われてしまっては機会損失に繋がりかねません。
それでは、どんな広告ならばZ世代の心を動かせるのでしょうか。
2-2.Z世代に刺さる表現とは!?
ここからはいよいよ、Z世代に刺さる広告表現についてお話していきます。
Z世代は、「おしゃれな表現」「トレンド感がある表現」「共感できる表現」を好意的に受け止める傾向があります。言葉だけでは、中々想像が難しいと思いますので具体例をいくつかご紹介します。
1.「わたしらしくをあたらしく」
これは商業施設、LUMINEのキャッチコピーです。Z世代に刺さる理由として、「わたしらしく」と「あたらしく」で韻を踏んでいること、個人それぞれの多様性を尊重する考え方が主流となり始めた今の時代にマッチしている表現であることが考えられます。
(引用元:https://www.lumine.co.jp/)
2.「あなたを一言で表してください」の質問が苦手だ。
これは、京セラスマートシティプロジェクトの表現です。就活をしているZ世代が抱えている「本音」の部分をそのままキャッチコピーにしたかのような表現がZ世代の共感を呼んだのだと考えられます。
(引用元:https://www.kyocera.co.jp/animation/anahito/)
2-3.Z世代に刺さるリスティング広告文【実践編】
それでは、実際にリスティング広告に落とし込んで考えてみましょう!
リスティング広告は、SNS広告と違い、検索行動が無ければ表示されません。
加えて基本的には文章のみでの訴求となります。
従って、得られたチャンスを活かすことのできる、より効果的な言葉選びが重要になります。
これらのことも踏まえて、Z世代の筆者が考える表現の例も見ていきましょう!
今回は、5種類の度数で展開していることが売りの架空のチューハイをテーマに考えていきます。
まずは、こちらの広告をご覧ください!
特に変わったところのない、よくありそうな広告ですよね。新登場のチューハイであること、商品名、売り、どこで買えるか等、広告に必要な情報がしっかり記載されています。
2-3-1.Z世代に刺さる「おしゃれな表現」って?
見出し1
「いつでも、だれとでも、1人でも」
説明文
「クセの無い爽やかな口あたりでどんなシーンにもマッチ!新登場バリューサワー。5種類の度数から自分に合った強さを選べる。気分に合わせた自由な飲み方。お酒に弱くても大丈夫。」
冒頭の広告をベースに、見出しに「おしゃれな表現」を取り入れました。かなり違った印象になったのではないでしょうか?こちらの見出しの方が、軽快さがあり、冒頭の広告よりもZ世代に刺さりやすい訴求になりました。「でも」を3回繰り返しながらテンポよく、商品を楽しめる場面を表現しているところがおしゃれですよね。説明文も含めて、柔らかい表現、ユーザー目線の表現に言い換えることで、シーンが伝わりやすいキャッチーな広告になっています。
2-3-2.Z世代に刺さる「トレンド感がある表現」って?
見出し1
「お酒に強いかなんて関係ない」
説明文
「【みんなと同じ味を楽しめる】0.5%~7%まで自分に合った度数でOK。新登場バリューサワー。お酒に弱くても、あまり酔いたくないときでも気軽に楽しめるクセの無い爽やかな口あたり。」
次はこちらの広告をご覧ください!こちらの広告も、冒頭の広告をベースに「トレンド感」を取り入れました。自分に合ったお酒との付き合い方が主流になりつつある現代にマッチした見出しになっていますよね。説明文でも、自分に合った度数を選べること、それによって体質に関係なく【みんなと同じ味を楽しめる!】ことが表現されており、よりZ世代に刺さりやすい訴求になっています。
2-3-3.Z世代に刺さる「共感できる表現」って?
見出し1
「お酒に弱くてもみんなと同じ味を」
説明文
「5種類の度数から自分に合った強さを選べる。お酒に弱くても、みんなと同じ味を楽しめる!クセの無い爽やかな口あたりでどんなシーンにもマッチ!新登場バリューサワー。」
最後はこちらの広告をご覧ください!こちらも冒頭の広告をベースに「共感できる表現」を取り入れました。お酒に弱いと選べるお酒の種類が限られてしまって、周りと味を共有できない!という悩みを解決できる見出しになっていますね。説明文に5種類の度数から選べることを記載することで、お酒に弱くてもみんなと同じ味を楽しめる理由も分かる訴求になりました。共感性に着目すると、冒頭の広告よりもZ世代に刺さりやすくなりました。
2-4.【注意!】Z世代が敬遠する表現
最後に、Z世代が敬遠する表現の特徴についてご紹介します。以下の特徴に当てはまっていると、Z世代に避けられてしまう恐れがあるのでご注意ください!
不安を煽る表現・差別的な表現・押しつけを含む表現
これらの表現を、Z世代に刺さる表現を意識して作り替えることで、今まで逃してしまっていた機会の獲得に繋がるかもしれません。また、上記の特徴は、Z世代に限らず好ましく思わない方も多いかもしれません。機会損失に繋がる恐れのある表現はできる限り避けた広告にしていきましょう!
3.Z世代を攻略しよう!
ここまで、Z世代とは?の部分から、実際の広告表現で意識するポイントまで解説してきましたが、いかがだったでしょうか。今後の消費活動を支えるZ世代に刺さる表現を意識して、どんどん成果を上げていきましょう!