2023.06.06
KNOWLEDGE
【Google広告・Yahoo!広告】今から考えたい!リマーケティングに代わるターゲティング【Cookie規制】
1.Cookieの規制について
サイトを閲覧していて「Cookieの使用に同意しますか?」というポップアップが表示されることが多くなったと感じることはありませんか?
Cookieとは、ユーザーのパソコン上に保存される小さなファイルのことで、ユーザーが訪問するウェブページで使用される設定などの情報を保存することができるものです。
どのページを閲覧したかや、入力した情報を保存することができるのでユーザーのインターネット上での行動を便利にしてくれるメリットがある一方、ユーザーのプライバシーを守るという観点から、これらの利用に同意するかをユーザーがウェブサイトの閲覧前に選択できるようにしています。
GoogleはChromeブラウザにおけるサードパーティCookieの使用を2024年後半より、段階的に廃止していくと発表しています。
2.Cookieの規制がWEB広告に与える影響
Cookieにはウェブサイトのドメインの運営者が発行し、自社のドメイン内で情報が共有されるファーストパーティCookieとウェブサイトの運営者以外が発行し、異なるドメイン間で情報を共有されるサードパーティCookieがあります。
WEB広告ではこれらのcookieを利用していることが多く、規制の動きで影響を受ける可能性があります。
その中でも特に影響が大きいと考えられるのが、「リマーケティング広告」です。
リマーケティング広告は一度サイトを訪問したユーザーへ広告を配信する追跡型の広告で、コンバージョン獲得における費用対効果が高い傾向があることもあり、利用している方も多いのではないでしょうか?
まさにターゲティングにサードパーティーCookieを使用しているため、規制が進むと今までのような配信ができなくなるかもしれません。
その際に困らないために、Cookieに依存しないターゲティング手法を考えておく必要があります。
3.リマーケティングの代案を考える
ここではリマーケティング広告に代わる広告メニュー・ターゲティング案を考えていきます。
3.1【Google広告】カスタムセグメントを利用する
「カスタムセグメント」は関連性の高いキーワード、類似URL、類似アプリを組み合わせて入力することで、最適なオーディエンスを作成してくれるものです。ここで作成したオーディエンスをターゲティングとして活用します。
いくつかのセグメントを組み合わせてターゲットに近いユーザーへ訴求ができるため、組み合わせ次第ではリマーケティングに近いセグメントにすることができます。
ここでは、ランニングシューズを販売しているお店での使用例を紹介します。
設定したいターゲットは「マラソンランナー」で、スポーツファンではありません。興味・関心だけの設定だとスポーツファンへも配信されてしまうため、以下のキーワード、URL、アプリを組み合わせてセグメントを設定してみます。
●キーワード(興味・関心):5 キロ走、トライアスロン選手、長距離ランナー、マラソンスポット
●URL:マラソン用品を取り扱うスポーツ用品店のWEBサイト、マラソンに役立つコンテンツ記事等
●アプリ:フィットネス系アプリ
※URLとアプリは指定したアプリ、URLへ配信されるわけではなく、それぞれ類似したURLやアプリを閲覧・利用しているユーザーへ配信されます。
上記で設定することでより、ターゲットとしたいユーザーへ絞って配信が可能になります。
リマーケティングの代わりとして活用するには、URLに自社と同じようなサービスを提供しているWEBサイトのURLを追加したり、売りたい商品についてキーワードを追加するなどがいいかもしれません。
3.2【Google広告】カスタマーマッチを利用する
すでに多くの会員や顧客情報を自社で持っている場合、広告でデータ活用するのも1つの手です。
すでに顧客になってくれている、もしくは会員になってくれているユーザーは今後のコンバージョン確度の高いユーザーといえるので、そういったユーザーに対して訴求することでリマーケティング以上の成果が見込める可能性もあります。
Google広告ではメールアドレスや電話番号といった自社で保有している顧客データを活用した「カスタマーマッチ」という配信ができます。
カスタマーマッチはアップロードした顧客データとGoogleのユーザーが照合され、マッチしたユーザーへ広告を配信する仕組みになっています。
カスタマーマッチについての詳細はこちらの記事でも詳しく紹介していますのでぜひご覧ください。
※カスタマーマッチをターゲティングとして広告配信に利用するには以下の条件があります。
●ポリシーを遵守してきた実績があること
●支払いに関して問題が発生していないこと
●Google広告で90日以上の利用実績があり、利用金額が通算5万米ドルを超えていること
カスタマーマッチは、自社データを活用することになるので関心度は高く、コンバージョンの可能性も高く見込めますが、多くの顧客情報が必要になります。
顧客情報を獲得するための配信施策を別で行い、集めた顧客データからカスタマーマッチを行うといった施策も検討できるかもしれません。
3.3【Yahoo!広告】オーディエンスリストを活用する
Yahoo!広告では広告配信の対象としたいユーザーを蓄積したリスト「オーディエンスリスト」が作成できます。作成できるオーディエンスリストの中でも顧客データ、類似ユーザーの利用がおすすめです。
●顧客データ
顧客データはGoogle広告のカスタマーマッチのように、自社で保有する顧客の情報をYahoo!広告へインポートすることでYahoo! JAPANの登録データと照合し、広告配信に利用ができます。
既存顧客や資料請求・問い合わせを行った見込み顧客など、興味関心が高いユーザーへアプローチが可能です。使用できる顧客データはアプリ用広告識別子とメールアドレスです。
アップロード方法などや規定はこちらからご確認ください。
●類似ユーザー
基となるオーディエンスリストのユーザーと行動履歴が類似しているユーザーのリストです。Yahoo! JAPAN内における行動履歴を基に解析して、基となるオーディエンスリストのユーザーに、ウェブ上の行動履歴が類似しているユーザーを類似ユーザーとして抽出します。
Google広告では類似オーディエンスでは使用できなくなっていますが、Yahoo!広告では引き続き使用することができます。
類似ユーザーは以下の基となるオーディエンスリストに以下が使用できます。
・条件 ・ウェブサイト訪問ユーザー
・アプリユーザー ・顧客データ
・デフォルト ・カスタム
・Yahoo! Audience Discovery
サイトへ訪問したユーザーやすでに顧客であるユーザーに類似しているユーザーは、同じように見込み顧客となる可能性が高いユーザーと言えます。
Yahoo!広告の類似リストにおけるターゲットリストは類似度に合わせて細かく訴求を変えることも可能です。
サイズは「類似ユーザーの拡張範囲」から変更します。
参考:オーディエンスリストターゲティングの設定/Yahoo!広告
リストのサイズは小さくなるほど類似度が高くなるため、より精度の高い類似ユーザーへ配信ができ、コンバージョンが見込みやすくなります。
完璧なリマーケティングの補完ではありませんが、近い成果が見込めるかもしれません。
3.4 媒体のターゲティングを理解し、組み合わせる
ここまで、リマーケティングに変わる広告メニューとしてGoogle広告のカスタムセグメント、カスタマーマッチ、Yahoo!広告のオーディエンスリストの活用を紹介しました。
上記は一例として紹介しましたが、もう1つ大切なのは商材の特性と媒体のターゲティングを理解し、ターゲティングを組み合わせることです。
Google広告・Yahoo!広告共に、様々なターゲティング手法があるため、商材にあった組み合わせがきっとあります。
ぜひ今一度、商材と媒体ターゲティングの組み合わせを見直してみてはいかがでしょうか。
4.リマーケティングに代わるターゲティングを事前に考えてcookie規制に備えよう
いかがでしたでしょうか?
ゆくゆくは影響をうけてしまう可能性がある「リマーケティング広告」。
いざ規制が強化されたときに困らないよう、今からそれに代わるターゲティング・広告メニューを考えておきましょう。
対策はしておきたいけど、どのターゲティングがいいか分からない方、
自社にはどの広告メニューが合うか、悩んでいる方
弊社には様々な媒体に精通した運用のプロがそろっています!ぜひお気軽にご相談ください。