2021.02.26
KNOWLEDGE
5分でわかる「Apple Search Ads(アップル サーチ アズ)」実際の費用・運用のコツ【2021年版】
皆さんは、Apple Search Ads(アップル サーチ アズ)をご存知でしょうか?
知っているものの実際に使ったことはないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、Apple Storeの検索広告、「Apple Search Ads(アップル サーチ アズ)」について、実際の運用からわかったこと、費用感・効果についてまとめてみました。
1.Apple Search Ads(アップルサーチアズ)とは?
Apple Search Adsとは、その名の通り、Apple Store内の検索連動型広告です。
検索されたキーワードに対して、設定された広告が検索結果の上部に表示されます。他の検索メディアと異なり1つだけしか広告表示されないのが特徴です。
「Search Ads」は日本国内では2018年の8月から利用が出来るようになりました。リリースから2年半のサービスですが、アプリマーケティングにおいては必須のチャネルになっています。
出典:searchads.apple.com
Search Adsには、「Basic」「Advance」の2種類の広告プランがあります。
・Search Ads Basic
CPI課金で、自分で調節ができない代わりに運用をすべてAppleが担うプランです。
設定は、予算とインストール単価のみで運用管理の必要がありません。キーワードや入札、ターゲット設定はできません。また予算が$10,000以下の制限があります。
・Search Ads Advance
CPC課金で、キーワードの入札やクリエイティブ等運用の調整を自分で行うプランです。
キーワードや入札額、ターゲット(年齢・性別・地域など)を自分で設定することができます。また予算の制限はありません。レポートで詳細なデータを確認することもできるため、大規模なプロモーションにも適しています。
運用代理店にお願いする場合は、基本的にAdvanceプランでお願いしましょう。
2.Apple Search Adsの広告クリエイティブ
Search Adsは下のキャプチャの様に画像で大きく表示される場合と、テキストだけで表示される場合があります。
広告表示形式のパターンは3つあります。
それぞれの情報はApp Storeのページにあらかじめ掲載されている画像、説明文を表示させます。
ですので、広告管理画面上でクリエイティブの作成を行う必要はありません。
配信される画像の組み合わせを選択することもできます。
広告クリエイティブは、「テキストのみのパターン」と「画像組み合わせのパターン」の2種は自動で配信されます。どちらかを手動でj配信ON、OFFすることは出来ません。しかし、どちらの効果が良いかはレポートで確認することができます。
▼クリエイティブ別のレポート
上の結果のように、効果によって偏りが生じる場合もあります。
※「image Ad」がストアのイメージ画像を使ったクリエイティブ、「Text Ad」がストアの説明書きを使ったクリエイティブです。何も設定しなくても、デフォルトで結果を見ることができます。
Search Ads のクリエイティブはこのようにストア情報から作られるので、クリエイティブを変えたい場合は、ストアを更新する必要があります。
3.Apple Search Adsをはじめるのに必要な準備
■Apple IDとSearch Ads アカウントの作成
Search AdsをはじめるにはApple IDが必要です。
Apple IDを取得したら、こちらからSearch Ads Advancedへログインしてみましょう。
ログインするとアカウントを作成することが出来ます。
■App Store Connect
App Store Connectは、アプリデベロッパー用の管理画面です。Search Adsをはじめるには、Search AdsアカウントにApp Store Connectを連携します。2021年現在では、連携をしなくても配信設定が可能になりました。
アカウント作成時に、ログインしているApple IDにApp Store Connectがリンクしている場合、アカウントにもそのまま連携されます。
連携すると、Search Adsのアカウントで、プロモーションしたいアプリのキャンペーングループを作成することができます。
運用代理店にお願いする場合は、代理店のSearch Adsアカウントに連携しましょう。
■SDKを連携して計測する
SDKは、アプリマーケティングにおいて、重要な計測ツールです。
Search Adsも計測することが可能です。
もし、「アプリを持っているがSDKを導入していない」のであれば、
・Adjust(アジャスト)
・Appsflyer(アップスフライヤー)
の2社をオススメします。ほぼすべての広告チャネルと接続ができ、UI、UXが非常にわかりやすいからです。
Search AdsはトラッキングURLを発行する必要がないので、基本的に自動連携することが出来ます。
自動連携をするとメディアソース別で確認することが出来ます。
※↑Appsflyerの管理画面キャプチャ
バリュークリエーションでは、SDKのサポートも行っております。Adjust、Appsflyerの導入に関しても、お気軽にご相談ください。
4.Apple Search Adsのコストとパフォーマンス
■レポート指標の定義
パフォーマンスの説明をする前に、Search Adsにおける指標の定義を確認しましょう。
主なレポート指標は、下記の通りです。
通常「広告のクリック」に該当するものが、「タップ数」になります。
なお、Search Adsのインストールの定義ですが、ストアの「インストール」ボタンをタップすると「1」となります。「インストール後の初回アプリ起動時」ではないので、計測ツールの数値と差異が出る場合があります。
■実際の広告パフォーマンス
では、Search Adsの実際の数値感を見てみましょう。
下記は、複数のアプリの広告結果を平均したものです。
CR(コンバージョン率)は35%でした。おおよそ3タップに1回インストールが発生しています。
入札は、CPCになるので、入札をかけたいキーワードのCPCが分かれば、Search Adsで得られる結果も予測できますね。
平均CPAは¥277でしたが、アプリによってピンキリでした。アプリによって¥100~¥1,000くらいの幅で変動していました。人気・競合の多いジャンルのアプリは入札額があがるので相場の単価も上がります。
キーワードを入札すると、ある程度検索ボリュームがあるキーワードであれば、「推奨(CPT)入札範囲」を確認することができます。
Search Adsでは、新規アカウントで無料で$100分使うことができるので、$100のクレジットを使って、キーワード入札単価を調べることもできます。
5.Apple Search Ads運用のコツ
■キャンペーン構成
基本的に「検索広告」ですので、リスティング広告の運用経験がある方はイメージがしやすいかと思います。
弊社でも入札キーワード群を下記の4つに分類します。
・ブランド/自社 キーワード
・一般(汎用) キーワード
・競合 キーワード
・間接 キーワード
■入札
Search Adsでは、入札を強めにいれましょう。例えば、CPT ¥100くらいで考えている場合、2~3倍の¥200~¥300ほどで入札をかけてみるのがいいでしょう。
何故なら、入札競合した際に、+¥1で入札されるからです。設定¥100に対し、競合が¥101であれば、入札は負けてしまいますが、設定¥200であれば、¥102で入札することが出来るからです。
他のリスティング媒体と比べ、入札の影響度が高く、さらに広告の表示場所は検索結果最上部の1か所のため、相場に対し、安く設定しすぎると、全く表示されない、という場合があります。
■キーワード
まずは、アプリのストアページ内に入っているキーワードをいれてみましょう。
Search Adsでは自動的にいくつかのキーワードをピックアップしてくれます。そちらから選択する程度でも良いと思います。
具体的なインプレッションボリュームがわからないので、配信をしながらキーワードを追加or削って調整するのが良いです。
キーワードを設定する際、このように「人気度」という指標をみることが出来ます。
「人気度≒検索ボリューム」として参考にしましょう。
■マッチタイプについて
Search Adsではキーワードのマッチタイプは「部分一致」「完全一致」の2種のみです(除外キーワードも同様)。ですので、アプリ名やブランド名以外は基本的に部分一致で設定し、効果の良いキーワードを完全一致で追加していきましょう。
6.まとめ
Apple Search Adsは日本国内では比較的新しい媒体ですが、「検索広告」ですので、ご理解しやすいかと思います。
広告を開始するにも、面倒な申込や審査が必要ないので、すぐ始められるのもメリットですね。
2021年現在では、Search Adsは少額の投資でも確実にアプリのユーザーを増やすことができるので、プロモーションに必須の媒体と言えます。ユーザーのニーズに合わせ、常に最適なプラットフォームを選択していきたいですね。
さぁ、Search Adsを始めましょう!
■参考サイト