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【ROASとは?】ECサイトで「ROAS」を活用するための基礎解説!

スマートフォンの普及率が全世代80%以上となった現代。
消費者の購入行動は大きく変わり、情報収集から商品購入までをインターネットで完結させる購入形式が一般的になりました。

それに伴って、ECを取り入れる企業も増加の一途をたどっています。
しかしながら、その中には、ECサイトのためにweb広告の運用を始めてみたものの、成果を導くための施策や指標などが決められないという企業も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ECでの成果指標である「ROAS」と、成果を上げるための広告施策を解説していきます!

1.ROASとは

1.1基本的な概略

ROASとは、”Return On Advertising Spend”の略称で、広告費用対効果のことです。広告経由で発生した売上を広告費用で割って算出します。

ROASはサービスやプロダクトからの売上から計算されるため、ROASの値が大きければ大きいほど、売上に貢献していることになります。

出稿しているメディアごとにROASを設定し、最もROASの高いメディアに予算を投下させるといった改善にも繋げることが出来ます。

1.2 なぜECサイトではROASなのか

では、なぜECサイトではROASを広告指標とするのでしょうか。

広告指標は数多く存在します。もう一つの指標であるCPA(Cost per Action)で成果を計るのではいけないの?という疑問の声も珍しくありません。

なぜECサイトではROASを指標にすべきか、違いとともに解説していきます!

1.2.1CPAの場合

CPAとは、広告あたりのコンバージョン単価を計算したものです。

「広告費用÷コンバージョン」で求められます。

例えば、とある不動産会社が住宅販売のためにお問い合わせをコンバージョン地点に置いたとします。
30万円のweb広告費をかけたとして、広告経由で10件のお問い合わせがあった場合、300,000円÷10件でCPAは1件当たり3万円という計算になります。

このように、CPAは期間ごとの比較や、複数メディアを使っての広告効果を図るというような、1件当たりの費用対効果を検証することには有効です。

ですが、価格帯がバラバラで、数多くの商品を取り扱うECにおいては1コンバージョン当たりの獲得単価はさほど重要ではありません。

そこで、適切に成果を計る指標として「ROAS」を使用するのです。

1.2.2ROASの場合

ROASとは、広告費に対して売上がどれだけ貢献できたかを表す指標となります。

ROASの算出方法は、「売上÷広告費×100(%)」となります。

例えば、50万円の広告費に対して、250万円の売り上げがあった場合のROASは、250万円÷50万円×100%となり、500%となります。
100%を基準に広告費の回収率を知ることが出来るため、1円当たり5円の利益を上げられた計算となります。

ECサイトでの販売の場合、商品が数十点~数百点である場合がざらにあり、商品ごとに広告出稿をしていない限りは、CPAを設定するのは現実的ではありません。

2.目標ROASの算出方法

先程、CPAとROASの違いを見てきましたが、次はROASの目標値について解説します。

目標ROASについては、下記のように算出します。

目標ROAS = 平均顧客単価 ÷ 粗利 ×100

粗利については、平均顧客単価―平均原価で求めます。

次に、目標ROASについての例を見てみましょう。

1売上当たり、平均顧客単価5,000円、平均原価1,500円の場合

【例①】

下限ROASの設定。この値を割ると赤字になるライン。

目標ROAS=¥5,000÷(¥5,000-¥1,500)×100=143%

【例②】

余裕を持たせたROAS。粗利の50%を広告費にした場合。

目標ROAS=¥5,000÷{(¥5,000-¥1,500)×50%}×100=285%

【例③】

利益重視のROAS。粗利の30%を広告費にした場合。

目標ROAS=¥5,000÷{(¥5,000-¥1,500)×30%}×100=476%

このような形で、ROASの目標値を設定していきます。
利益重視で目標のROASを高く設定すると、プロモーションが行える範囲や選択肢を狭め、機会損失が起る可能性があるため、余裕を持った目標ROASを設定することが大切になります。

また、目標値を設定したからと言って満足してはいけません。
ROASの目標値を達成するために、どの媒体でどの出稿形態が適切なのかを見極めて広告を運用していくことも非常に重要です。

3.ECサイトがROASを活用する際の注意点

先ほどは基本となるROASの目標値を設定しましたが、設定する際に意識すべきことが3つあります。

3.1売り方を意識してROASの基準を設定する

1つ目は、「1回の販売で利益を出すことorリピーターとなって利益を出すこと」のどちらを重視するかというところです。

1回で利益を回収しようとする場合、広告費50万円で200万円の売上を獲得できた場合、200万÷50万×100%で400%となります。

しかし、リピート施策の場合は、長期的な販売で利益を回収しようとするので、広告費50万円をかけたとしても、初回の購入売上が広告費を下回ることが良くあります。

ですから、リピート購入による利益獲得を重視するのであれば、初回売上ではなく、年間での売上ベースにROASを算出したほうが、より適切な広告効果を把握しましょう。

この場合の算出方法は、「LTV(年間)÷広告費×100%」です。
今回は年間で算出しましたが、顧客の回転サイクルに合わせて柔軟に、どの期間の平均顧客単価を使用して設定するか考えることが大切です。

3.2売上額を最新のものにする

2つ目は売上です。

ROASのポイントである売上単価は、時期やイベントによって大きく変動します。

固定の数値で判断するのではなく、直近での売上単価を見て計算するように心がけましょう。

例えば、事前にわかる売上単価の上がる時期(キャンペーン時期、繁忙期)が予測できるのであれば、前もって上昇した売上単価を想定し、それをベースに広告予算を上げるなどの対策を取ることで、機会損失を最小限に抑えることが出来ます。

過去の売上から、今後の動向を予測し戦略を立てられるのもROASを活用するメリットの一つです。

3.3ROASのみで広告の適正を判断しない

3つ目はROASのみで広告を判断しないことです。

ROASとは別に、ROIやCPAといった指標も併用して、多角的に広告の成果判断をしていかなければなりません。

顧客は必ずしも、広告経由で商品を購入するわけではありません。
広告は見たとしても、他のサイトで検討をし、別のサイトを経由して商品を購入する場合もあります。複数の購入経路があるのです。

ROASばかりを注視してしまうと、このような顧客の動きを見落としてしまうかもしれません。効果が出ているにも関わらず撤退してしまうなど、機会損失を生む可能性があるわけです。

損失を防ぐためにも、ROIやCPAなどの数値を併用し、全体を評価していくことが非常に大切です。

4.ECサイトでROASを改善するポイント

4.1アップセル・クロスセルの実施

顧客単価を上げるために、アップセル・クロスセルを行うのは非常に効果的です。

・関連商品の推奨
・高単価商品の推奨
・まとめ買いの推奨

などが顧客単価を上げる施策として有効です。

これらは既存顧客への販売促進の施策であり、顧客の購買機会を増やしていくことが大切です。

4.2クリエイティブの最適化

ROASを上げるためには、コンバージョンを増やしていく必要があります。ということは、コンバージョン率も注視しなければなりません。

コンバージョン率を増やすための施策の一つとしてクリエイティブの改善が挙げられます。

ターゲティングやユーザー属性に合わせた、興味を惹きやすいクリエイティブを作成する必要があります。

バナー広告であれば、静止画だけでなく、カルーセルや動画などでストーリーを持たせるなどのA/Bテストが不可欠です。
リスティング広告も同様、キーワードに合わせたクリエイティブを作成し、それに対応した遷移先を用意するなどの、コンバージョン率を上げる取り組みが大切です。

4.3ターゲティングの最適化

ROAS改善において、コンバージョンの数を上げることは重要です。
コンバージョンの導線となる広告で、適切なユーザーに対し、興味関心を持ってもらうこともコンバージョン率アップにつながります。

最適なターゲティングを行う場合、ペルソナを設定してカスタマージャーニーマップなどを活用して、商品・サービスを利用する人の属性やニーズ、行動パターン、地域、検索クエリなどを把握し、それを元にパーソナライズされた広告を実施することが出来ます。

ターゲティングごとに広告費を最適配分することができるので、ROAS向上に繋がります。

4.4配信プラットフォームの最適化

広告配信先は数多くあります。
検索エンジンやSNS、ポータルサイトや動画サイトなど、プラットフォームによって利用しているユーザー層や費用は異なります。

見直しの方法としては、媒体ごとのROASを算出し、ROASの値の高いものを中心に予算を振り分けをするようにします。
その際に、アトリビューション分析を行うと、より適切に予算配分が可能になります。

自社の狙いたいターゲットが利用している最適なプラットフォームを選び、効果の良い購入経路を見つけることで、予算配分が最適化されてROAS向上に繋がります。

5.さいごに

正確なROASの設定はプロに任せよう!

今回はECサイトにおけるROASの概要から活用方法について、紹介いたしました。

広告運用の目的とゴールをきちんと考えたうえで、数ある効果測定指標の中から活用できる指標を設定することが大切です。

ROASは広告運用における売上の結果を見るだけでなく、他の指標も含めて検証することで、利益をより多角的な視点で見ることが出来ます。

それにより、効率的かつ効果的な広告施策を実施することが可能なのです。

弊社では、お客様の事業に合わせ計測すべきKPIや数値を明確にし、成果の出る広告運用を得意としております。

これまでの弊社事例の紹介を踏まえ、お客様の広告運用についてのご相談を受け付けております。

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