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【Google広告】カスタマーマッチの活用 -脱タグ時代で生き残る方法を考えるの巻

iOS 14に対する様々なマーケティングの対策が、業界界隈で取り沙汰されていますが、 Google広告の『カスタマーマッチ』も使い方次第でその一つとなると考えています。

「今後、タグリマケができなくなることで、獲得効率が下がるかも…」 と不安に思われているなら必読です。

以前からGoogle広告で提供されているターゲティング方法ではありますが、 2021年4月末にアップデートもあり、活躍の場が広くなったカスタマーマッチをご紹介します。

 

1.カスタマーマッチについて

概要

オンラインやオフラインのデータを活用して、広告のターゲットに設定することができます。

顧客から提供された情報を活用して、情報を提供した顧客や類似顧客を広告のターゲットに設定でき、一般的には以下のような顧客データをリスト化してターゲティングすることが可能となります。

・住所
・電話番号
・メールアドレス
・姓名
・居住国

Google広告上でオーディエンスリスト化することで、オーディエンスとして選択可能になります。

ただし、有効といえるリストを作成するには、最低1000件以上のデータが必要で、そのデータ内でのマッチ率が29%以上で「平均的」とみなされ、それ以下だとマッチ率が低く、配信対象となるユーザーが少なくなる可能性があります。

配信対象となったユーザーへの広告配信は、以下を利用している場合にリーチしたり、再度アプローチしたりすることが可能です。

・検索
・ディスプレイ
・ショッピング
・Gmail
・YouTube

仕組み

広告として表示されるまでの流れです。

(1)顧客データのアップロード

顧客から提供された連絡先情報のデータファイルをアップロードします。

指定のテンプレートを使用し、フォーマットの手順については指示に沿って作成してください。

参照:Google広告ヘルプ「顧客データファイルのフォーマットについて

(2)キャンペーンのターゲットに設定

カスタマー マッチのユーザーリスト(アップロードされたデータから抽出された Google ユーザー)を、キャンペーンのターゲットに設定します。

(3)広告が表示されます

このリストのユーザーが各自の Google アカウントにログインすると、検索ネットワーク、YouTube、Gmail を使用するとき、または Google ディスプレイ ネットワークで閲覧するときに 広告が表示されます。

注意点まとめ

利用条件

カスタマ―マッチは、現状すべての広告主が利用できるターゲティングではありません。

利用できる広告主(広告アカウント)の条件は以下です。

・これまでポリシーを遵守してきた実績があること
・これまでお支払いに関して問題が発生していないこと
・90 日以上の Google 広告のご利用実績があること
・ご利用金額が全期間で 5 万米ドルを超えていること (米ドル以外の通貨でアカウントを管理している広告主様のご利用金額は、 その通貨の月別平均換算率により米ドルに換算されます)

参照:Google広告ポリシーヘルプページ「カスタマ―マッチのポリシー」

ちなみに、弊社調べですが、最後の項目「90日以上の~~」は、5万米ドルを超えていなくても、 設定ができることが確認されています。

(※これ以外の3つの条件は満たしている状態です)

顧客データ設定時の注意点

マッチングをする為には、最低でも1,000件以上のデータが必要 です。

ちなみに、例えば1000人分の顧客データを所有していたとしても、1000人のGoogleアカウントとマッチするとは限らないのでご注意ください。なお、前述もしましたが、1000件以上をアップロードしたのに 【マッチ率】が高くならない場合はこちらも参考にしてもらえればと思います。

参考:Google広告ヘルプ 「カスタマー マッチの問題(リストのアップロード失敗、リストサイズが小さい、ボリューム不足)の解決

個人情報の取り扱い

カスタマー マッチを使用する際には、自社で直接収集した顧客情報のアップロードのみが許可されています。(広告主のウェブサイト、アプリ、実店舗などを通して、顧客が直接広告主に提供した情報)

つまり、顧客情報=個人情報となるので、取り扱いには十分な配慮が必要となります。

Google広告管理画面からアップロードするデータ(電話番号・メールアドレスなど)は、ハッシュ化(暗号化)されGoogleのサーバーへ送信される為、プライバシー保護の対策がされた状態です。

参照:Google広告ヘルプ「ハッシュ化したデータをアップロードするためのフォーマット ガイドライン

広告主が代理店へ広告配信を依頼している場合など、この顧客情報のデータのやり取りについては、明確な取り決めを協議し、双方納得した上で進めることをおすすめします。

iOS 14で影響の出る顧客リスト

カスタマーマッチで、モバイル端末 ID(IDFA)を利用したリストは、広告配信先となる端末のIDFAが取得できなくなります。

これにより、インプレッション数の減少が予想されますのでご注意ください。

2.カスタマーマッチの活用

カスタマーマッチの設定手順

カスタマーマッチでアップロードできる顧客データの種類は、以下の3種類がありますが、

・メールアドレス、電話番号、住所のいずれか
・ユーザーID
・モバイルデバイスのID

今回は、メールアドレス、電話番号、住所のアップロード方法と設定手順をお話しします。

(1)オーディエンスマネージャーへ遷移

(2)リマーケティングタブで、+ボタンをクリックして「顧客リスト」を選択

(3)オーディエンスの作成

①オーディエンス名を入力

②アップロードするデータを「メールアドレス、電話番号、住所をアップロード」で選択

③準備したデータに合わせて2つの内いずれかを選択
 -ハッシュ化されていない書式なしテキストデータをアップロードする
 -ハッシュ化データをアップロードする

④ファイルを選択

⑤ポリシー準拠のチェックボックスにチェック

⑥有効期間を設定
 -デフォルト設定は【期限切れなし】
 -期限を任意で設定する場合、1日~540日の間で設定可能です

⑦説明文設定(任意)

⑧リストをアップロードして作成

※任意箇所は青枠で囲っています

(4)完了

アップロードした総数(〇行)、形式が正しかったか、推定マッチ率などが表示されます。

【完了】をクリックしたら、作成作業は以上です。

ここで、2021年4月29日にアップグレードされた内容があります。

以前は、アップロード完了後に、マッチ率が表示されるまで時間がかかりましたが、広告配信までをスムーズにするために、マッチ率をすぐに確認できるようになりました。さらに、過去にアップロードしたリストのマッチ率も表示されるので、過去の傾向を把握することも可能になりました。

また、もう一点アップグレードがあり、カスタマーマッチを効果的に活用する為には、リストが古い情報にならないよう最新の状態に更新を続けることが重要なのですが、リストを更新するタイミングにすぐ気づけるよう、自動的に最適化案ページに表示されるようになりました。これで、顧客データに更新があった場合にも、更新忘れなく常に最新の状態での広告配信が可能となります。

カスタマーマッチ活用事例

作成したリストは、ターゲティングに追加することが可能です。

「使えそうだ」「気になっている」けれども「活用範囲がまだ定まっていない…」という場合は、以下の【活用事例】もご参考頂ければと思います。

【事例1】リピート促進 ~ECサイト編~

【商材】アパレル販売

【購買形態】購入時に会員登録することができる(必須ではない)

【活用例】初回購入時に会員登録をしており、半年間購入がない会員に、会員限定のキャンペーン告知をして再購入を促進

【必要データ】会員メールアドレス
 └半年前に新規会員登録をし購入したユーザーで、2回目以降の購入履歴が無いユーザーのもの。
 └アパレル業界なので、SALE時期に被るように半年前のユーザーデータを集めて、SALE開催バナーを配信するのもあり。
 (この際、会員限定のオファーも訴求するのもあり ex)会員様は更に10%オフ!)

 

【事例2】リピート促進 ~教材販売編~

【商材】技能習得系のオンライン用動画教材販売

【購買形態】単品購入可能。購入時には個人情報としてメールアドレスを必須登録。

【活用例】動画教材1本を購入したユーザーに、次回作(新しいシリーズ)の動画教材が発売された際に、再度購入を促進する広告配信を行う

【必要データ】登録時のメールアドレス

 

【事例3】会員限定告知 ~不動産・住宅編~

【商材】不動産・住宅(販売/賃貸)取り扱いサイト

【購買形態】誰でも自由に閲覧できるが、会員登録で非公開物件の閲覧が可能になる。

【活用例】非公開物件追加の際の告知や、会員限定の住宅展示場のイベントなどの告知を行い、より物件への問い合わせ数を増加させる

【必要データ】登録時のメールアドレス

 

【事例4】配信対象除外設定 ~新規顧客獲得編~

【商材】アパレル販売

【購買形態】購入時に会員登録することができる(必須ではない)

【活用例】会員登録をしているユーザーのメールアドレスリストを除外オーディエンスに設定し、非会員ユーザーへの広告配信を行い新規会員を増加させる

【必要データ】登録時のメールアドレス

 

終わりに

いかがでしたでしょうか?

今日の広告は、タグ計測により、ユーザーを追従して、よりその個人が求める商品・サービスを広告できることが効率的であり、強みと言われていました。そういった中でApple社の発表は、広告でのターゲット手法を改めて考えさせられる出来事であり、ある意味、広告業界を『ターゲット開拓の時代』に突入させたのではと考えます。

Google広告だけではなく、各広告媒体で使用できるオーディエンスを組み合わせ、タグリマーケティングと同レベルの効率を出せるターゲットを発見することが、『開拓時代』に頭ひとつ抜け出す方法かもしれません。

ユーザー獲得の効率を落とさない、あらゆる可能性の一つとして、ぜひカスタマーマッチもお試しください。

※本文内の事例は一部です。弊社にご相談いただけましたら、広告主様のご要望に合わせたご提案などさせていただきます。

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